コラム

新型コロナウイルス感染拡大の影響による危機から脱するための情報活用

footprints.jpg新型コロナウイルスの感染拡大が大きく騒がれ始めた頃、「コロナ禍」とともに「アフター・コロナ」という言葉をよく見かけるようになりました。当時は、いつかコロナが落ち着く時期はやってくるという期待感も、社会の中で一定の割合存在していたのがわかります。

 

しかし、それもすぐに「ニュー・ノーマル」「ウィズ・コロナ」のように、コロナ終息への期待感からコロナ下における経済のあり方が考えられるようになりました。ワクチンなど治療薬の登場が待たれながら、現在の感染リスクを抱えた状態で如何に市場経済の流れに取り残されず、需要と供給の舵を切る存在になれるかを中小、大企業に限りはなく常に考えていかなければならない状況になりました。

 

では、このような環境下で必要なことは何でしょうか。それは、コロナ需要へのチャンスとコロナ感染へのリスクについて、常にアンテナを張り巡らせ、企業戦略を打ち出していくことです。消費者や、クライアント企業の感覚がどう変化しているのかを把握できなければ、需要を測る尺度そのものを誤ることになります。自分たちの尺度と世の中の尺度の照らし合わせを続けていく作業としては2つのものが挙げられます。

 

1.自社で集まってくるデータについての分析を再構築する

2.自社では集まらないデータの中で、必要なものを調査によって集める

(1)自社サービスと変化を迎えているポイントのマッチングを行う

(2)変化の先を見極めていく

1.自社で集まってくるデータについての分析を再構築する

どんな職種にも、企業として経済の担い手の一端を担う限りは自然と集まってくるデータがあります。業務に関わるもの、顧客に関わるもの、様々な種類のデータが日々生まれてきています。とはいえ、集まってくるデータは非構造化のものであり、多くの企業では自社にとって必要なデータであるかのフィルターをかけ、構造化して活用されています。

 

しかし、テレワークなど働き方の変化や、顧客の需要変化など、様々な方向において変化著しい現状において、過去との対比でデータを構造化して分析しているだけでは把握できなくなってきています。データとしての分断を生まないために既存のデータ収集は継続するべきですが、新しい枠組みを作り、現状をちゃんと把握できるようなデータの形成が必要であり、そういった集まるデータ収集の再構築をサボってしまえば思わぬ落とし穴にはまることも少なからずあります。

 

また、マーケティングの一環として調査を行う場合も、まずは自社で集まるデータについて認識を高め、何が自社データだけでは不十分なのかを既存の認識にとらわれずに理解していかなくては、その後の調査結果もぼやけてしまいかねません。

 

2.自社では集まらないデータの中で、必要なものを調査によって集める

1により自社データ分析の再構築を行うなかで見つかった、自社では集められないデータ、もしくは集めにくいデータについての理解が進んだことにより、自社の新たな企業戦略を組む上で必要な情報を選別し、市場調査を行うステップへと進みます。では、この「ウィズ・コロナ」の時代にどのような情報を集めていく必要があるでしょうか。

 

(1)自社サービスと変化を迎えているポイントのマッチングを行う

調査を通じ、需要を拾い上げていく作業は、コロナに関係なく日々企業戦略の一環として行われているものではあるかと思います。しかし、1で述べました通り、消費者、クライアントは以前とは大きな変化を迎えている可能性があります。消費者であれば、在宅率の増減、収入の増減などにより以前とは異なる行動範囲、行動時間、購入品が考えられます。クライアント企業であれば、その企業の売上増減、取引先の変更、労働者の在宅状況の変化など。そういった変化が生まれれば、自ずと現状に対して最適化できていないポイントが存在します。そのポイントを把握し、そこにサービスを打ち出していければ大きな需要を掴むこともありえます。現状に対して最適化できていないポイントというのが、集めるべき情報の1つだといえるでしょう。

 

(2)変化の先を見極めていく

コロナウイルス感染拡大の影響から新たに生まれた行動習慣は、大きな消費行動の変化をともない、売上を落とした業態もあれば、営業前から行列や即完売など、売上を急激に伸ばした企業もあります。マスク、消毒液、トイレットペーパーがなかなか買えない状況に陥ったのは記憶に新しいかと思われます。ですが、そのマスクや消毒液は結果として供給過剰となり、在庫に多くを抱え込んだ結果大きく値崩れして販売することになった企業も散見されます。このように、現時点での需要に追われてばかりいては結果としてプラスを生んだあとにマイナス調整が入り、企業としての飛躍にブレーキをかけてしまうことも少なくありません。大きな変化が生んだ反動というものを、如何にマーケットのなかで理解し、先んじていられるかというのは企業体力をつけていく上では非常に重要なファクターとなります。このように先を見るためには定量調査よりも定性調査を行い、深く消費者やクライアントの深層心理を掘り起こした情報が必要となります。このような定性情報は自社で収集するのは困難な要素といえましょう。

 

このように、情報過多となりつつある社会において、コロナによる影響を企業ベースで強みにつなげていけるかは、いかに有効な情報を体系そのものから見直し、複層化して集めていき戦略につなげていけるかというのが重要なキーポイントとなるでしょう。