コラム

自社の業界地位を明確にする電話による競合調査

自社の業界地位を明確にする電話による競合調査

競合調査の目的は、「自社の商品・サービスと、他社の商品・サービスを比較し、改善点や課題を出すこと」です。

 

ここでは、電話による競合調査を進めるための具体的な手順やポイント、具体的な調査項目、さらに電話による競合調査で効果的な調査を行った2社の事例をご紹介します。この事例は、調査の目的を明確として競合他社との差を把握することで調査後の実績獲得につながった好事例です。

 

1.競合調査の内容

2.電話による競合調査の一般的な手順と項目例

(1)電話による競合調査の一般的な手順

(2)競合調査の主な項目例

3.電話による競合調査の事例

(1)化粧品メーカーのA社

(2)ハンガーラックメーカーのB社

 

1.競合調査の内容

競合調査とは、「自社の商品・サービスと、他社の商品・サービスを比較し、改善点や課題を出すこと」を目的とした調査です。

 

ただし対象となる業界の他の企業をやみくもに調べていても、有益な情報を得ることができません。調査をする際には、どんな要素を比較検討すれば自社にとって有益な情報を得られるのか、を設計してから競合調査を開始することが重要です。

 

2.電話による競合調査の一般的な手順と項目例

(1)電話による競合調査の一般的な手順

電話による競合調査を進めるための具体的な手順とポイントをご紹介します。

 

① 目的

まずは、調査を行う目的を明確にします。さらに、どういう調査結果を想定し、結果をどう活かすかまで考えることがポイントです。

 

② 対象

次に、調査の対象を決めます。業界シェアが高い企業というように漠然と設定するのではなく、自社のターゲットユーザーや戦略が似ている企業をリストアップします。

 

③ 調査内容

調査対象が固まったら、電話調査の内容を検討します。目的を達成するためには、どういった項目を調査するべきかを考えていきます。

 

(2)競合調査の主な項目例

ここでは、具体的な調査項目についてご紹介していきます。目的により必要な項目は異なりますが、主要な項目としては下記が挙げられます。

 

① ビジネスモデル

ビジネスモデルの再構築や改善を検討している場合には、自社とビジネスモデルが近いと想定される企業をリストアップして調査します。

 

② 人事

人事制度は、企業経営において従業員の離職率をも左右する重要な要素です。採用HP等を利用して、パートの利用や労働条件の調査を行います。

 

③ 競合の商品・サービス

新商品の導入やサービス向上を目的としている場合には、市場の実態に踏み込んだ調査項目を設定することが重要です。

 

④ 商流

物を扱う場合には、原材料の購入や加工、アフターフォローなどが必要となり、販売以外の工程にも品質とコスト管理が求められます。

 

3.電話による競合調査の事例

(1)化粧品メーカーのA社

同社では女性をターゲットにした洗顔用美白洗浄液を市場に投入してきました。商品に対するこれまでの広告は、雑誌や交通広告を中心に進めてきましたが、広告効果の程度を把握できていませんでした。そこで広告の浸透状況をつかむための調査を企画しました。

 

調査項目として、現在認知しているブランドと認知経路、認知した媒体名、ブランド別のイメージ、購入経験、実際の使用ブランド、ブランド変更理由などを設定しました。

 

調査の結果、トップブランドとは広告媒体に大きな違いがあることがわかりました。同社は、一般女性中心に広告展開を行っていたのですが、トップブランドは、雑誌の特集記事に絞り込んで出稿をし、それがイメージの差になっていました。

 

商品ベネフィットを説明していることも、トップブランドの商品が好感を得ている要因とでした。同社では、女性向けファッション誌、美容関連雑誌それぞれの雑誌媒体のターゲットや編集方針、発行部数、広告掲載企業の概要などを整理したうえで、最適媒体を絞り込むことで、その後のシェア獲得に大きく貢献することにつながりました。

 

(2)ハンガーラックメーカーのB社

同社ではハンガーラックの商品競争力を確認するため女性を対象とした電話調査を企画しました。競合する数ブランドについて、ハンガーラックの使用実態、購入動機・きっかけなどに加えて、一般的なブランドへの考え方や生活用品でのブランド志向状況を把握しました。

 

この調査の目的は、ブランド志向の強い人が、生活用品やハンガーでもブランドを意識してるかどうかを知るためです。手に取る商品を選ぶ場合のポイントやチェック事項、商品を比較検討する際の重視点といった事柄について詳細に聞き出していきました。そして最終的に購入を決める際、最も決め手となる点は何かということを掘り下げました。 

 

その結果、ブランド志向の強い人は、機能より、カラーやデザインで選ぶ傾向がある一方、ブランド志向でない人は機能重視で選んでいることなどが分かりました。加えて、同社製品はデザインで競合他社に差をつけられていることも明らかとなりました。

 

そこで、商品全体のデザインを見直し、ブランド志向が強い人と機能重視の人、それぞれの人向けに分けて商品ラインを設定し、特性に応じたものづくりを行うことで、その後の売り上げ拡大につなげることができました。