コラム

コロナ禍における顧客満足度調査(宿泊業,飲食サービス業)

hearing.jpg このコロナ禍において、飲食店や観光業のサービスや商業施設などの小売り業態は、Go To イートキャンペーンやGo To トラベルキャンペーンの効果もあり、回復の兆しが見え、キャンペーンにおける利用者数はそれぞれ1千万人を超えていることが観光庁や農林水産省によって発表されています。また、外出自粛による反動もあり、消費行動は増えてきているのが街を歩いていても感じられます。

 

しかし、国内・海外問わずコロナの感染者数は横ばい、もしくは増加傾向にあり、決して楽観視できる状況にはありません。また、キャンペーンや消費行動自粛への反動などは、いつまでも続くものではありません。したがって、この一時的な回復期にアクションを起こしている消費者を飲食や観光の事業者が如何に繋ぎとめられるか、つまり、リピートへの動機を如何に作り上げられるかが重要な課題となっています。

 

 

1.新型コロナウイルス感染拡大の影響下で把握すべきポイント

総務省統計局発表のサービス産業動向調査 調査結果2020年(令和2年)8月分によりますと、飲食店などを含む「宿泊業,飲食サービス業」は前年同月に比べ33.4%の減少で、7か月連続の減少となっています。減少ピークである4~5月からは伸びているものの、まだ8月までのデータからは前年同月比の数値までの回復には至っていません。

 

それ以降はキャンペーン等により回復幅が大きくなっていることが見受けられますが、これは応急処置薬でしかなく、そこにあぐらをかいてしまえば一気にコロナ影響を再び受けることになるのが予想されます。

 

したがって、今後どういった戦略を練り、何に投資を図っていくべきなのかを考えていかなければなりません。そのためにはキャンペーン等を通じて消費の増減が出てきている顧客層と、そうではない顧客層(コロナ禍で消費の動きが一様に低い、コロナ禍でも一様に高い)の消費動機やコロナ感染リスクへの不安の起因となる要素を把握しておく必要があります。

2.新型コロナウイルスへの対策がリピート意思に与える影響

先日、ある飲食店を訪れると、今までは店員が手指消毒スプレーを持って入口までやってきていたのが、入口付近のテーブルの上に手指消毒スプレーが置いてあり、各自で消毒をするかたちに変わっていました。店員数にも限りがあるため消毒方法の変更は仕方のないことではありますが、その後入ってくる客の様子を見ると、ほとんどのひとがスプレーには気づかずに消毒をせず、着席していました。いまだに感染者数が出ている現状を考えると、消毒の仕方の変更を客に理解してもらう努力を怠っている企業側にも、店内に入るときには手指消毒を行うことを必要なものと意識していない客側にも少し気のゆるみが出ていることがわかります。こういった様子を、コロナ感染に敏感な顧客層が見たらやはりリピートにつながりはしないでしょう。

 

このように、コロナ感染対策をしっかり行っていた店舗が、月日の経過によって対策を弱める、もしくは見落としを増加させていくことは、感染リスクだけではなくリピートの低下を招くことが大いに考えられます。しかし、店舗にも衛生管理として出来ることの限界はあるでしょう。だからこそ、必要となるのは顧客による衛生管理評価を得ることでしょう。例えば、とあるホテルでは客室や食堂での衛生管理をかなり念入りに行っていましたが、だからこそエレベーターのボタンには一切消毒対策がされていないことがギャップとして映り、行き届いていない印象を顧客に与えていました。このように事業者と顧客では視点が異なり、気づきにくいポイントが存在するのです。

3.定期的な顧客満足度調査の必要性

以上のことからも分かるように、コロナ禍という今までに経験したことのない事態に、事業者も、消費者も直面しているため、どのような戦略がリピート率を高め、売上につながっているのかをつかむことがとても困難な状況にあります。

 

だからこそ、いま得ることができる生の顧客による回答データは想像以上の価値となります。しかし、その情報も集め方、加工の仕方を間違えれば磨かぬ原石と変わりはありません。定期的に調査を実施することで、この変動多い時期のデータを極力細かに集め、時系列化し、顧客心理も時系列で把握していければ調査データはより磨かれ、多くの「意味」が現れてきます。このようにして調査を重ねることによって、顧客が望むもの、リピートをもたらすポイントがどれだけ流動的であろうと、慌てることなく把握していくことも可能といえるでしょう。