コラム

製造業が行う効果的な顧客満足度(CS)調査のパターン

意見を聞くスタッフ

製造業が行う顧客満足度調査について、考えられる目的と対象となる調査データの組み合わせ例をいくつか挙げます。

 

次に、顧客満足度調査による新製品開発の事例として顧客の声を元に健康志向製品を開発したA社と、顧客のライフスタイルに基づく反応を元に新製品開発に成功した医薬品製造業B社を紹介します。

 

また、製造業が行う顧客満足度調査を成功させるポイントとして、顧客満足度調査の目的を明確にすることと、その目的に合う調査方法を検討することの重要性についても触れます。

 

1. 製造業が行う顧客満足度調査のパターン

2. 製造業が行う顧客満足度調査を活かした製品開発事例

(1) 顧客の声を元に健康志向製品を開発したA社

(2) 顧客の美容ニーズの反応を元に新製品開発に成功した医薬品製造業B社

3. 製造業が行う顧客満足度調査を成功させるポイント

1. 製造業が行う顧客満足度調査のパターン

顧客満足度を測定することのパターンは製品特性、顧客特性や流通経路など、様々な条件で変わってきます。顧客が満足した状態あるいは不満の原因を探ることで何らかの目的を達成することが求められます。製造業が行う顧客満足度調査について考えられる目的の例と対象となる調査内容の組み合わせをいくつか挙げてみたいと思います。

 

目的① 顧客満足度の向上→アンケートによる顧客満足度指数など

目的② 既存顧客の維持→既存顧客の中で購入頂いた理由

目的③ 納品時間短縮(早い納品で満足度を得る)→注文から納品までの経過時間と満足度

目的④ 業界での位置づけ→自社製品を選択した理由

目的⑤ 顧客フィードバックによる製品改善→顧客から受け取るフィードバック内容

 

顧客満足度調査を行う目的を明確にしてどのような調査を行うかを決めることが必要です。次に、顧客満足度調査による顧客からのフィードバックを活かして新製品開発を行った事例を紹介します。

2. 製造業が行う顧客満足度調査を活かした製品開発事例

(1) 顧客の声を元に健康志向製品を開発したA社

食品業界において健康志向の製品市場は拡大傾向にあり、中でも減塩食品へのニーズは増加する事が見込まれています。国が発表する「食事摂取基準」の改訂の中でも食塩摂取目標量が引き下げられることも追い風となり減塩ニーズは高まると予測されています。

 

そのような中、既存顧客に対して健康意識を中心とした顧客満足度調査を行ったところ、「食べたいけれど、塩分制限で控えている」という意見があることが分かり、そうした声に相応する形で新製品開発に着手につながりました。

 

当該製品において塩分は味だけでなく、殺菌や成型の面でも重要な役割をしていましたが、塩分量を低減し、美味しさを実現させるため、塩分の少ない塩を使用することで、塩分を大幅にカットした製品開発に成功、新たな顧客層の獲得につながりました。

(2) 顧客のライフスタイルに基づく反応を元に新製品開発に成功した医薬品製造業B社

B社は医薬品、化粧品、機能性食品など「美」や「健康」をテーマにした製品の企画と販売を行っています。近年では保有技術を活かし入浴剤市場でも新製品を投入してきました。同市場の活性化を図るべく、20代から30代の女性顧客を重点ターゲットとして既存製品改良と新製品開発を目的とした電話調査による顧客満足度調査を実施しました。

 

同年代の女性顧客の中には愛好者がいる一方、固有の香りが気になり、利用を控えている、あるいは入浴剤の香りそのものが苦手で利用が難しいという層が一定程度、存在していることが分かりました。

 

中には、入浴は全身浴だけでなく、半身浴や足浴などを多用しており、必要水量に見合った分だけ使いたい要望も聞かれました。また肌が弱い方や小さなお子様を持つ方などから肌への影響を考えると使用を制限しているという意見も見られました。

 

こうした意見を反映して、肌にやさしい無添加製品の開発に成功、香りが苦手な方、お肌への影響が気になる方のために無香料かつ無着色としました。アルコールといった原材料を排除して体にやさしい入浴剤に仕上げ、小さなお子様と一緒に入浴も可能な製品としました。さらにタブレットとすることで半身浴、足浴など入浴シーンの多様化に合わせて、量を調整できるような形状としました。女性をターゲットとした新しいコンセプトの製品で話題性もあることから新規顧客層の開拓が期待されています。

3. 製造業が行う顧客満足度調査を成功させるポイント

顧客満足度調査を通して得た顧客の声を元に健康志向製品を開発したA社の事例では、塩分制限で控えているという顧客の声に対応することで新製品の開発に着手し成功しました。また電話調査による顧客満足度調査により、顧客の反応を元に新製品開発を行った医薬品製造業B社は、重点顧客層からネガティブな意見をあえて開発課題ととらえることで新規性あるコンセプトの製品を開発することができました。

 

このように製造業が顧客満足度調査を行う際は、予め調査目的を明確にしつつ、対象となる調査データをリストアップした上で調査方法を検討することが必要不可欠です。特に顧客層からの意見や反応を元にして製品改善や新製品開発を検討する場合、ターゲット顧客を明確にするとともに顧客から受け取るフィードバック内容が製品開発に活かせるよう専門会社とのコミュニケーションなど通して詳細な調査設計を行うことが必要不可欠です。