コラム

電話調査を通して社会調査を行う効果

電話調査を通して社会調査を行う効果

社会調査とは社会的な問題意識に基づいてデータを収集、分析する調査です。社会調査は、大きく「量的調査」と「質的調査」に区分することができます。

 

ある社会調査において、“面接調査による全国標本”と“電話調査による全国標本”との比較調査を行い、ほぼ似通った調査結果をもたらし、電話調査が面接調査に近いデータを集めることが可能であることを証明しました。今回は社会調査の中でも「世論調査」において電話調査を活用するメリットについて紹介します。また効果的な電話調査を実現する手法として、「ランダム・デジット・ダイヤリング(Random Digit Dialing)」とCATI(Computer Assisted Telephone Interviewing)を紹介します。

 

1.社会調査とは

(1)社会調査の内容

(2)社会調査の区分と手法

2.社会調査で電話調査を活用する効果

(1)面接調査と比較した事例

(2)社会調査で電話調査と活用する効果

(3)効果的な電話調査を実現する手法

 

1.社会調査とは

(1)社会調査の内容

社会調査とは社会的な問題意識に基づいてデータを収集、分析する調査です。英語で表現した場合、「ソーシャル・リサーチ」の他、貧困問題などを調べる社会踏査(しゃかいとうさ)にあたる「ソーシャル・サーベイ」、国勢調査のようなものを指す「センサス」、といった用語で表すことができます。社会調査とは、いくつかの意味を含む概念と考えることができます。

 

社会調査そのものを、対象テーマごとに大分すると「行政調査」、「世論調査」、「マーケティング・リサーチ」、「研究調査」というように区分することも可能です。調査の対象や該当するテーマが非常に幅広い内容と言えます。

 

(2)社会調査の区分と手法

社会調査は大きく「量的調査」と「質的調査」に区分することができます。「量的調査」は、多くの対象について、主に定量面から浅く広く行う調査、「質的調査」は、少ない対象について、主に定性面から多くのことがらを把握し深く狭く調べる調査ということができます。

 

社会調査における「量的調査」の方法としては調査票調査(アンケート調査)や非参与観察法が挙げられます。「質的調査」の方法では聞き取り調査や参加観察法、ドキュメント分析が挙げられます。調査票調査(アンケート調査)の自由回答を質的データとして取り扱うなど、それぞれの調査方法は固定的に活用されるものでなく、必要に応じて量的データや質的データを扱います。

 

2.社会調査で電話調査を活用する効果

(1)面接調査と比較した事例

アメリカではある社会調査において、“面接調査による全国標本”と“電話調査による全国標本”との比較調査を行いました。それぞれ回答率や測定上の誤差などいくつかの観点から比較を実施しました。

 

その結果、“面接調査”と“電話調査”でほぼ似通った調査結果をもたらし、“電話調査”が“面接調査”に近いデータを集めることが可能であることを証明しました。同様の調査結果が得られるのであれば、“面接調査”と比較して、より低コストでスピーディーに実施することのできる“電話調査”の有効性が明らかになり、調査手法として一気に広がる契機となりました。

 

(2)社会調査で電話調査と活用する効果

社会調査の中でも「世論調査」において電話調査を活用するメリットについて紹介します。現在、多くの「世論調査」では電話調査が活用されています。従来、固定電話の利用者だけ調査していましたが、固定電話と携帯電話の両方の利用者に対する調査が主流になりつつあります。固定電話を所有せず、携帯電話だけを利用する人が若い世代を中心に増えてきたためです。

 

さらに、電話の利用状況によって調査対象となる確率が異なることによる補正を行ったうえで、国勢調査に基づいて男女比も補正するなど、より国民の声が適切に反映されるよう集計方法も工夫しています。

 

(3)効果的な電話調査を実現する手法

「RDD」とは「ランダム・デジット・ダイヤリング(Random Digit Dialing)」の略で、コンピュータで無作為に複数の電話番号を作成し、その番号に電話をして調査する方法です。

 

RDDを活用することにより、電話帳に番号を掲載していない方にも意見を聞けるため、調査対象の偏りが小さくなることが期待されています。

 

加えて現在ではコンピュータの画面に質問を表示して、調査員がその質問を読み上げ回答者の回答を入力する手法であるCATI(Computer Assisted Telephone Interviewing)も導入され、スピーディーに誤差なくデータを集める体制が構築されており、電話調査による効果が増しているといえます。