コラム

マーケティングリサーチで活用されている主な手法と課題

マーケティングリサーチ業界で活用されている主な手法について、それぞれの特徴とメリットを紹介します。あわせてそれぞれの調査手法が他の方法と比較して有する課題にも触れます。

 

限られた時間や予算の下で効果的な調査を行うためには、手法ごとの特性や強み、限界点をしっかり理解した上でマーケティングリサーチに取り組むことが重要です。

 

1.訪問面接調査

調査員が対象者を訪問し、インタビュー形式で質問して回答を得る方法です。

 

対象の商品や広告物などを提示することも可能です。また、多量で複雑な質問構成でも対応できる、その場で記入ミスを防げるというようなことから、質の高い回答が得られます。

 

対象者以外からの回答への影響も回避できます。対象者と事前に約束ができていればよいのですが、対象者宅に約束がなく訪問するような手法は世相を反映して実施すること自体に難があります。

 

また、事前に調査員への綿密なインストラクションが必要で、且つ、調査員には一定の技術が要求されます。そのため、人件費をはじめとする調査経費が高くなりがちで、調査の期間が長くかかることも課題として挙げられます。

2.HUT(Home Use Test)/留置調査

調査員が対象者を訪問して、調査の依頼をして調査票を渡し、後日回収を行う方法です。

 

配付する方法を工夫することで費用圧縮につながる上、対象者と事前に約束しておくことで回収率を高められる点が特長です。調査の内容を事前に説明した上で、対象者自身が自分の都合や生活のペースに合わせて回答できます。長い説明を要する質問や、全体的に質問量が多くても調査は可能です。回収の際に記入のモレや不備をチェックできることも特長です。

 

反面、訪問面接調査よりデータの質は相対的に低く、本人が記入したかわからないことや回答する場面で周りからの意見が影響する可能性があったり、調査票を預けている間に質問に対して独自で予備知識を得てしまい正確な情報が得られないケースも発生します。ある程度の調査期間が必要な点も課題です。

3.CLT(Central Location Test)

対象者に会場に集まってもらい、その場でアンケートや聞き取りをする方法です。

 

調査内容を説明することができ、比較的簡便なインタビュー方式も可能です。また、時間・費用の節約も可能です。

 

一方、来場する方だけの回答に限定され、その集団の特性による偏りが生じる可能性があります。さらに、回答者同士で相談が行われ、回答が一定程度、同質化してしまうリスクも包含しています。

4.郵送調査

調査票を対象者に郵送して、記入した後に郵送で返送してもらう方法です。

 

広い地域にまんべんなく対応でき、対象者の個人的な事情により、面接や訪問をしにくい方も対象にすることが可能です。また、調査員による偏りが生じにくい方法といえます。

 

その反面、調査に一定の時間を要する点や調査への協力要請について工夫が必要です。他の手法と比較すると、回収率は低い傾向にあります。数多くの設問は難しい点や本人確認が困難な点も課題といえるでしょう。

5.電話調査

オペレーターの電話ヒアリングにより調査を行う方法です。

 

RDD(Random Digit Dialing)を活用することにより電話帳よりも偏りが少ないサンプルにリーチすることができます。対象者リストが無かったとしても、このRDDという手法を用いれば調査可能です。電話さえあれば全国どこでも調査でき、容易に対象者に接触できるといえます。直接対面しないので、比較的聞きにくい質問も限られた期間内で調査することができます。

 

ただし、不在を装われる可能性もあるといった点が課題といえます。1回の電話でかけられる時間もある程度限られます。対象者からすると調査を断り易く、少ない分量しか質問できません。提示物が使えない点も課題です。

6.インターネット調査

インターネットを通した自記式の調査方法です。

 

自社に対象者のリストがなくても調査できます。また、対象者の都合にあわせて調査ができ、調査エリアにも制限はなく、動画や写真を提示しながら回答を求めることができます。相対的に費用が安く、短時間で調査ができ、即時に集計することも可能です。

 

反面、対象者がインターネット利用者やリサーチ会社に登録する人に限られます。年齢層が限定される傾向もあります。対象者の本人確認が難しいため、“なりすまし”も防げません。調査内容に関心がない人からは回答が得られない点も課題といえます。