コラム

携帯電話RDD調査の概要

RDD方式とは?

世論調査や市場調査において、電話調査は今でも重要な役割を担っています。固定電話から携帯電話へと時代が変化してきた中で、調査方法も進化を求められてきました。本コラムでは、携帯電話を活用した調査が普及した背景や、統計学的な評価について解説します。

 

1.携帯電話の普及

固定電話RDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)調査は、無作為に生成された固定電話番号に電話をかけることで、偏りのない世帯サンプルを抽出する方法として調査などに広く利用されてきました。しかし、携帯電話やインターネットの普及が進み、今日では固定電話の世帯保有率は6割台にまで低下しています。特に若年層を中心に固定電話を持たない世帯が増加しています。このため、固定電話RDD調査では、若年層の意見を十分に反映できないという問題が生じてきました。一方、スマートフォンを含む携帯電話の普及率は9割以上に達し、国民の大多数が携帯電話を所有する時代となりました。

 

2.RDD方式の利点と課題

世論調査において、男女年齢層別のサンプル構成比が実際の構成比(国勢調査の構成比)に近づくことは非常に重要です。その点から、固定電話で若年層の意見を反映しづらいことが大きな課題でした。そのような状況に対応するため、現在では、固定電話だけを利用するのではなく、固定電話と携帯電話を併用して2つのサンプルフレームから調査対象者をサンプリングする方式(デュアルフレーム方式)を導入するなど、RDD調査は新たな進化を遂げました。

 

3.RDD方式の重要性

固定電話も携帯電話もRDD調査はともに重要な手法ですが、どちらにもメリットとデメリットがあります。例えば、全国を調査対象とする世論調査では、携帯電話の普及率が非常に高いので、携帯RDD調査ならば全国にいるほぼすべての一般成人を対象に調査を実施することができます。

 

ところが、携帯RDD調査では電話番号から事前に地域を特定することができないため、特定地域を対象とする商圏調査や選挙に関する調査には利用することができません。一方、固定RDD調査であれば、電話番号から事前に地域を特定することができるので、調査対象の地域を限定することが可能となります。

 

この他にも、固定RDD、携帯RDDそれぞれの異なる特徴があるので、より正確な調査を行うためには様々な工夫が必要となります。次のコラムでは、携帯電話調査の利点、デメリットについて、詳しく解説します。

 

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